幼稚園を受験する際、願書に「家庭の教育方針」を書く欄を見て途方に暮れていませんか。
「家庭の教育方針なんて考えたことなかった」
「なんて書けば正解なの」
「具体例をしりたい」
「夫婦で考え方が違う場合はどうしたらいいの}
大丈夫です。
この記事を読めば、家庭の教育方針の決め方から具体例までバッチリわかります。
実際、家庭の教育方針は面接の時にも聞かれる重要な部分です。
しかし、いざ夫婦で話し合ってみると、二人が考えている方向性が違う場合も多々あります。
方向性が違って悩んでいる時の解決法から、そのまま使える具体例までご紹介していきます。
Contents
幼稚園受験の願書の「家庭の教育方針」とは
幼稚園側は、多くの受験者の中から、園の方針に沿った考えを持つ家庭を選びたいと思っています。その際の判断基準の一つとなるのが、家庭の教育方針です。
入園を希望していたとしても、園の方針と家庭の教育方針が同じ方向でないと、保育のミスマッチが起きます。
例えば、のびのび保育をモットーとしている園に対して、「厳しく律した行動ができるように育てたい」「勉強や英語に力を入れたい」と保護者が希望していた場合、満足の得られる保育でないと感じるかもしれません。
反対に、自立や規範を重視している園に、「外遊びをたっぷり体験させたい」「自由でおおらかに育てたい」と保護者が希望している場合も同様です。
このような、方向性の不一致をなくすための参考になるのが家庭の教育方針になっています。
以上をふまえたうえで、次に、願書に記入する家庭の教育方針を考えていきましょう。
教育方針は決めるべき?
そもそも「教育方針は決めるべきなのか」と疑問に感じている方がいるかもしれません。
家庭での教育方針は願書に記入するだけでなく、面接で質問される可能性があります。
そのため、「教育方針」と聞くと少し堅苦しく仰々しい感じがするかもしれませんが、夫婦で話し合って簡単な方向性だけでも決めておきましょう。
例えば、下記のような2つの方針を決めるだけでも十分です。
- 子どもにどんな人間になって欲しいか
- そのために家庭で気をつけていることは何か
まずは夫婦で話し合ってみましょう。
教育方針を決めるメリット
教育方針を決める目的は、最初は単なる幼稚園のお受験対策のためかもしれません。
しかし、受験対策をきっかけに「家庭の教育方針」を決めておくとさまざまなメリットがあります。
ここでは、家庭の教育方針を決めておく5つのメリットをご紹介します。
- 夫婦で話し合う時間が増える
- 子どもの将来を考えるきっかけになる
- 子どもへの接し方に一貫性が出る
- 子どもの長所を伸ばす方向性が決まる
- 習い事や進路を選ぶ基準になる
順番に見ていきましょう。
メリット1.夫婦で話し合う時間が増える
教育方針を考えることで、自然と夫婦で話し合う時間が増えるのが利点です。
忙しい日常の中、わざわざ時間を取り夫婦でゆっくり話し合う機会は意外に少ないでしょう。
家庭の教育方針を決める目的で始めたとしても、これをきっかけに、夫婦がさまざまな話しをし、お互いの理解や方向性を確かめる良い機会になります。
単純にコミュニケーションが増え、夫婦の絆が強くなるかもしれません。
メリット2.子どもの将来を考えるきっかけになる
改めて子どもの将来について考える良い機会になります。
幼稚園だけでなく、小学校・中学校・高校・大学に向けて、どんな選択がベストかを夫婦で考えるきっかけになります。
メリット3.子どもへの接し方に一貫性が出る
家庭の教育方針が決まれば、子どもを叱る時にも夫婦で一貫性が出ます。
「母親がいいと言ったのに父親はダメだと言った」このような状態は、子どもに混乱を生むでしょう。
どちらかが厳しく叱り、どちらかが甘やかすような悪循環も生まれにくくなります。
メリット4.子どもの長所を伸ばす方向性が決まる
家庭の教育方針が決まれば、子どものどのような個性を伸ばしていくかはっきりします。
教育方針を決める場合、短所を改善させるよりも、長所を伸ばすと決めた方が親子にとってストレスがないでしょう。
子どもの長所を見つけ、伸ばしていく方向性を夫婦でシェアできます。
メリット5.習い事や進路を選ぶ基準になる
長所を伸ばすための家庭方針が決まれば、習い事や進路を選ぶ基準になります。
とくに、習い事はあれもこれもと増えがちです。
「子どもの負担になっただけで、結局何も習得できなかった…」そんな失敗も生まれやすいのが習い事です。
しかし、教育方針をしっかり決めておけば、習い事を始める時、進路を決める時など選択に一貫性が生まれます。
家庭の教育方針の決め方
次に家庭の教育方針の決め方を3つのステップでご紹介します。
- 必ず夫婦で話し合う
- 家庭教育のゴールを決める
- 家庭での取り組みを考える
この手順がすべてではありませんが、一つの事例として参考にしてください。
ステップ1.必ず夫婦で話し合う
仕事や下の子の世話、家事などの合間を縫って夫婦でゆっくり話す時間を見つけるのは難しいかもしれません。
しかし、片方が勝手に決め、片方に押し付けた教育方針では、必ずほころびが生まれます。
肝心の受験本番の面接で、支離滅裂の返答をしてしまうような大失敗にもつながるかもしれません。夫婦で意見が食い違わないよう必ず二人で話し合いましょう。
ステップ2.家庭教育のゴールを決める
次に家庭教育のゴールを決めます。
難しく考える必要はありません。シンプルに子どもが最終的にどんな人間に育って欲しいかを考えます。
例えば、下記のようにざっくりとした感じで大丈夫です。
- 思いやりがある子
- 明るく優しい子
- 挨拶をしっかりできる子
- 目標に向かって頑張れる子
ここで決めたゴールが家庭の教育方針を決める核となります。
曖昧になりがちな部分ですが、しっかり決めておきましょう。
ステップ3.家庭での取り組みを考える
どんな人間になって欲しいかを決めたら、次に「そのために家庭で何をしているか」「親がどのように働きかけているか」について思い浮かべます。
具体的なエピソードがあれば、説得力が増し、面接でもしっかり受け答えできます。
「思いやりがある子」だとしたら、そのためにお友達とどのように接するよう伝えているか、「挨拶をしっかりできる子」であれば、毎日家庭内でどんな挨拶を心がけているかなどです。
家庭の教育方針を書く時のポイント
以上の手順で家庭の教育方針の大枠が決まりました。
次に、家庭の教育方針を実際に書く時に気をつけるべきポイントを4つ解説します。
- 嘘を書かない
- 長文は避ける
- 家庭の教育方針と園の方針とが合致しているポイントを見つける
- 具体的なエピソードを入れる
教育方針の書き方に悩んでいる方はぜひ参考にしてください。
ポイント1.嘘を書かない
「実際よりもよく見せたい」「本当は違うけど受験対策用に」などの誘惑があるかもしれません。
しかし、嘘を書いてしまうと、肝心の面接本番で失敗してしまう可能性も。誠実に嘘がないように書きましょう。
ポイント2.長文は避ける
思いのたけを切々と訴えたい場合も、長文はおすすめしません。
伝えたいことを簡潔に分かりやすく書きましょう。
ポイント3.家庭の教育方針と園の方針とが合致しているポイントを見つける
夫婦で決めた家庭方針と園の保育方針とが合致するポイントを見つけましょう。
それが志望動機にもつながります。
また家庭内での、どんな出来事が当てはまるかなど、具体例を書くと伝わりやすいでしょう。
ポイント4.具体的なエピソードを入れる
具体例があれば家庭の教育方針を伝えやすいのでおすすめです。
ちょっとしたエピソードでも大丈夫です。
毎日の生活で心がけている活動などが分かりやすくていいでしょう。
家庭の教育方針の具体的な記入例
いざ書こうとしても、「どう書いていいか途方に暮れる…」なんて方も少なくありません。
そんな方は、次のような項目も書くヒントになります。
ご自分の家庭ではどのようにしているか思い浮かべてみましょう。
- 基本的なマナーを身につけるためにしていること
- 子どもの将来のために取り組んでいること
- 子どもとの間で決めた習慣やルール
このようなエッセンスがそのまま家庭の教育方針と重なるかもしれません。
また、家庭の教育方針の具体的な記入例をいくつか紹介します。
- 例文1:挨拶ができる子
- 例文2:自ら動ける子
- 例文3:思いやりのある子
- 例文4:自分の身の回りのことができる子
例文を参考にして、ぜひご家庭の方針やお子さんの個性に合った文章を考えてください。
例文1:挨拶ができる子
わが家では挨拶を大切にしています。
朝の挨拶を元気にできれば、一日を明るい気分でスタートできるからです。
お友達やご近所さんにも自分から挨拶できるよう親である私自身が率先して行うようにしています。
例文2:自ら動ける子
自分で考え、行動できる子になって欲しいと考えています。
そのため小さなころからわが子と話し合い、意見を聞くようにしてきました。
普段から子どもが自発的に行動を起こしやすいような声掛けを心がけています。
本人が決めた結果を親は尊重し、最後の決断は本人が行うようにしています。
例文3:思いやりのある子
他人を思いやる優しい子になって欲しいと考えています。
家庭の中でも元気がない時や困っている時など、積極的に声をかけ合うようにしています。
困っているお友達がいる時は声掛けできるといいねと普段から話題にしています。
例文4:自分の身の回りのことができる子
わが家では身の回りのことができるように心がけてきました。
そのため、お手伝いに遊びの要素を取り入れながら積極的に取り組ませています。
具体的には、料理や洗濯物たたみなど一緒に楽しみながら行っています。
小さなころから続けてきたおかげで、毎日の習慣になりました。
夫婦で教育方針が違う場合はどうしたらいい?
いざ家庭の教育方針を決めようと夫婦で話し合ってみたら、方針が違っていた。こんな場合はどうしたらいいでしょうか。
実は、夫婦で教育方針が違う場合も決して悪いとは言えません。前向きに考えてみると、違う視点から子どもの教育を考えられ、バランスが取れているとも言えます。
しかし、幼稚園受験の面接や願書の記入では、ある程度一致していた方がいいでしょう。
ここでは、夫婦で教育方針が違う場合の4つの歩み寄り方をご紹介します。
- 悪い事実だと思わない
- お互いに歩み寄る
- 共通点を見つける
- 定期的に話し合う
ぜひ参考に、取り入れられるところから実践してください。
悪い事実だと思わない
夫婦は、それぞれ違う環境で、違う経験を積みながら価値観を形成してきました。
教育に対する考え方が違ったとしても当然です。
「相手は間違っている」「相手が理解してくれない」と一方的に否定せず、バランスが取れていいと考えましょう。
この前向きな考えをベースに話し合っていきます。
お互いに歩み寄る
お互いの考えの違いを認識したあとは、それぞれ少しだけ相手に歩み寄りましょう。
歩み寄りのポイントは、夫婦のビジョンや考えを書き出し、子どもの個性に合っているかを照らし合わせてみることです。
子どもの個性や長所を伸ばせるかに重点をおくと決めておきましょう。
共通点を見つける
二人の意見が合わないとしても、大切に考えている要素が同じかもしれません。
なぜそう思うのかを深掘りしてみると、意外なところで共通点が見つかるはずです。
お互いが大切に思う共通点が、家庭の教育方針の核の部分になるでしょう。
定期的に話し合う
同じ方向を見ていると思っていても、ズレは生じます。
定期的に話し合う時間を設けましょう。
話し合いの積み重ねによって、家族の絆が強くなり、明確な方向性が見つかるはずです。
子どもの成長を一番に考えながら、夫婦でわが家のビジョンを作り上げていきましょう。
面接時にも教育方針が聞かれる
家庭の教育方針は、幼稚園の面接時にも聞かれる場合があります。
その時に「何を書いたか思い出せない」なんて状況にならないよう、記入内容はしっかり覚えておきます。
また、「家庭の教育方針を教えてください」と問われるよりも「どんな子に育って欲しいですか」や「こんな場合、お子さんにどのように声掛けしますか」など、普段の姿勢を聞かれる場合も多いようです。
一方で、願書に「家庭の教育方針」を書く欄がない幼稚園もありますが、面接時に聞かれる場合があるので、しっかり夫婦で話し合って決めておきましょう。
日頃子どもにどのように接しているか、子どもにどのように成長して欲しいかなど、しっかり答えられるようにしておいてください。
「家庭の教育方針」は重要!夫婦で話し合っておこう
いかがだったでしょうか?
家庭の教育方針は、単なる願書に書きこむためのものだけではなく、今後の家庭のあり方に影響する重要なものです。
そのため、「受験対策のためにとりあえず模範解答を書きこんでおこう」と軽く考えてしまうのはもったいないでしょう。
いい機会だと前向きにとらえ、しっかり夫婦で話し合いましょう。その際は、この記事の具体例や決める手順などを参考にしてください。
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