なぜ人気?【幼稚園受験・御三家】学費から保育の特徴まで徹底解説!

小学校受験の合格率が高く、最高の保育環境を用意しているような幼稚園への受験人気が高まっています。
その中でも「御三家」と呼ばれる幼稚園が存在します。

「子どもには最高の教育の機会を与えたい」これはすべての親にとっても共通の願いですよね。

幼稚園時代である3~5歳は「発達の臨界期」 の真ん中に位置し、乳幼児の置かれた環境からの刺激や経験がその後の発達に大きな影響を及ぼすと言われています。

「発達の臨界期」とは、子どもの脳には適切な学習時期があるという概念です。
言語学習は0~9歳、視覚や運動は0~4歳が重要とされています。

家庭環境はもちろん、1日のうち1/4程度の時間を過ごす幼稚園も子どもの発達にとって重要です。
そんな大切な時期をよい環境の幼稚園に入園させたいと願う親御さんにとって幼稚園受験は当然の流れと言えるでしょう。

今回は、幼稚園受験界で「御三家」と呼ばれる人気幼稚園について詳しく解説します。

都内お受験における御三家幼稚園とは

東京都内の幼稚園受験で「御三家」と呼ばれる幼稚園は次の3つです。

  1. 若葉会幼稚園
  2. 枝光会付属幼稚園
  3. 愛育幼稚園

以前は、松濤幼稚園が御三家の一角でしたが、2010年に閉園になり、代わりに愛育幼稚園が御三家入りしました。

数ある幼稚園の中で、なぜ「御三家」は人気なのかについて3つの理由から詳しく解説します。

御三家が人気の理由1.小学校受験に強い

人気の幼稚園には、内部進学をねらう名門大学付属幼稚園と小学校受験に強い幼稚園の2タイプあります。

名門大学付属幼稚園で人気なのは、私立であれば「青山学院幼稚園」「学習院幼稚園」、国立であれば「東京学芸大学附属幼稚園」「筑波大学付属幼稚園」「お茶の水大学付属幼稚園」などです。

一方、付属幼稚園がない「慶應幼稚舎」や「暁星小学校」などの難関小学校への合格者が多いのが「御三家」出身者と言われています。

このような小学校受験を視野に入れて、幼稚園選びからこだわった結果、御三家がいいと一定の評価を得ているのです。

ただし、この御三家に通えば、小学校受験の対策ができるわけではありません。
特別な受験対策カリキュラムがあるわけではなく、自立や情緒をはぐくむしっかりした教育を受け、自然に受験対策ができるようです。

幼稚園でのしっかりした教育をベースに小学校受験に臨むといった目的に合致しているのです。

御三家が人気の理由2.立地

どの幼稚園も東京都港区で運営されているのが特徴です。

港区は高級住宅地があり、高収入世帯や芸能人が多く居住しています。

また、子どもの教育にお金をかける余裕のあるリッチな家庭が多く、教育熱心な親たちのニーズにも合致しているようです。

御三家が人気の理由3.教育内容

幼稚園独自の教育方針やカリキュラムにより、一般的な幼稚園よりも良質な幼児教育が受けられると評価されています。

発達の重要な時期を有意義に過ごさせたいと考える保護者に人気です。

このように教育熱心な保護者にとって人気の「御三家」の特徴や基本情報について、これから詳しく解説します。

若葉会幼稚園

若葉会幼稚園は、昭和4年に創立された歴史のある幼稚園です。

基本情報

若葉会幼稚園の立地や費用について基本情報を紹介します。

住所 東京都港区西麻布4-13-25
電話番号 03-3409-0039
アクセス 地下鉄大江戸線「六本木駅」から徒歩15分

地下鉄日比谷線「六本木駅」から徒歩15分

地下鉄日比谷線「広尾駅」から徒歩10分

検定料 13,000円
入園料 20万円
施設充実費 30万円
寄付金 一口20万円

(一口以上・任意)

入園後の納付金 保育料(年少):31,000円/月

(年中・年長):29,000円/月

教材費:7,300円/月

冷暖房費:7,200円/年

親和会費(父母の会):3,000円/年

給食代(希望者のみ):約118,000円/年

その他制服代

以降では、特徴や受験の募集要項などを見ていきましょう。

特徴

昭和4年(1929年)、幼児教育が重要視されていない事実に着目した三井グループ総帥・三井八郎右衛門が現在の地に設立しました。

教育方針は「各自の個性を尊重し、心身の円満な発達と共に正直、勤勉、質素、快活の美風を養成し、かつ、共同生活に慣れしめ、自立自助の人となる素地をつくる」としています。
この方針は現在に至っても受け継がれています。

公開されていませんが、一説には慶應幼稚舎への進学率が高く、お受験に強い幼稚園と評判です。

しかし、受験用のカリキュラムがあるわけではありません。
教育方針にもある通り、日々の地道な活動を大切にし、勤勉で自立できる人間形成を目標にしています。

どちらかと言えば「スパルタ系」とも言われているようです。

週4日給食があるので、温かい食事を食べられ、忙しいママにとってはお弁当作りから解放されるメリットがあります。

保育料に関しては無償化の対象ですが、それ以外の費用負担が多いのも留意しておきましょう。

受験の募集要項

受験の募集要項があるのは、3年保育児のみです。

募集人数 3年保育児

男女合わせて約54名
(2年保育児は募集なし)

願書受付 10月第1週の2日間

10:00~15:00

入園考査 10月下旬~11月にかけて3日間

指定の時間にて

合否 試験終了翌日から速達郵便にて
その他 トイレトレーニングを済ませておく

また、「トイレトレーニングを済ませておく」と募集要項に明記されています。

試験内容

試験内容は面接と考査の2つです。

面接では保護者と理事長や園長先生とで行われます。
時間は15~20分程度です。

志望動機の他に子どもの性格や日常での関わり、食事内容、子育てで困ったことなど一般的な内容を聞かれます。
両親の子育てに対する姿勢や考え方全般についての質問がメインです。

考査は、子どものみ10人程度のグループに分かれて行われます。
時間は30分程度です。

名前や年齢など簡単な質問をされます。
その他、紙芝居・おままごと・パズル・クレヨンなどで遊ばせつつ、行動観察・自由遊び・運動・指示行動などを見られる流れです。

枝光会附属幼稚園

枝光会(しこうかい)は、東京都港区と目黒区に3つの幼稚園を運営しています。
この3園を総称して枝光会幼稚園と呼んでいます。

  1. 枝光会付属幼稚園
  2. 枝光学園幼稚園
  3. 枝光会駒場幼稚園

この中で御三家の一つと呼ばれているのが枝光会付属幼稚園です。

基本情報

枝光会付属幼稚園について立地や費用について基本情報をご紹介します。

住所 港区三田4-19-36
電話番号 03-3441-8147
アクセス 都営浅草線|泉岳寺駅:徒歩8分

東京メトロ南北線|白金高輪駅:徒歩15分

JR山手線・京浜東北線|高輪ゲートウェイ駅:徒歩20分

(すべて子どもの足で歩いた場合の時間)

入園料 10万円
施設設備費 4万円(年額)
寄付金 一口10万円

(一口以上・任意)

保育料 36万円(年額)
母の会 24,000円(年額)

公式サイトには、費用に関する情報は全く公開されていません。
ネットの情報からこちらの表を作成しました。

また、幼保無償化の対象のため保育料が実質無料です。
しかし、制服代や教材費などは別途実費である点を留意しておきましょう。

特徴

1953年に開園した歴史ある園です。
親子2代で通っている家庭も少なくありません。
園と家庭の両輪で子どもたちの成長を見守る温かい雰囲気です。

カトリックの精神に基づきながら、子どもたちに温かい雰囲気とよい環境を整えることをモットーにしています。
カトリックならではの信仰心や他人への愛などを養い、自立心を育てるよう重点を置いているようです。

また、自然とのふれあいや命の大切さなど情緒教育も大切にしています。
教育方針は「遊びの中から明るく素直な思いやりのある子に育てることを目的」とし、のびのびとした印象です。

公式サイトに掲載されている園長挨拶には、毎日の挨拶について触れています。

枝光会幼稚園での基本挨拶は、なんと「ごきげんよう」です。
これは「次にまたお会いするときまでご機嫌よくと、相手を思うお言葉」とのこと。

毎日登園したら、最初にキリスト像の前で元気よく「ごきげんよう」と挨拶してから保育室に入ります。

受験の募集要項

募集の詳細は、公式サイトに掲載されていません。

募集人数 105名
願書受付 11月第1週
入園考査 11月第1週
見学あり 7・9月の指定日に見学

要事前予約

ただし、見学日や見学できる内容などは掲載されています。

試験内容

試験は3年保育で2日間、2年保育で1日です。
1日目は1時間、2日目は40分行われます。

1日目 親子面接

アンケート

2日目 幼児考査

親子面接は、先に母と子が呼ばれ、父親はその間にアンケートに答えます。
アンケートで聞かれる内容は、洗礼の有無や洗礼名、家族構成、園に望むこと、紹介者、通学経路などです。

その後、子どもと合流し親子3人で面接を受けます。
所要時間は約5分。
聞かれた内容に端的に答えられるように考えをまとめておきましょう。

2日目の幼児考査は集団遊びです。
行動観察、自由遊び、工作、親子遊びなどを見られます。
親子課題では、与えられた材料を使用し親子で工作します。

愛育幼稚園

愛育幼稚園は、天皇家にゆかりのある由緒正しい幼稚園です。
広尾にありながら、自然に親しみ、のびのび情緒を伸ばす教育方針です。

基本情報

愛育幼稚園の立地や費用についての基本情報をご紹介します。

住所 東京都港区南麻布5-6-8
電話番号 03-3473-8318
アクセス 地下鉄日比谷線広尾駅:徒歩8分

JR目黒駅より都バス「新橋行き」

愛育病院前下車2分

出願料 1万円
検定料 1万円
入園料 10万円
施設充実費 15万円
保育料 42万円(年額)

2回に分けて分納可

入園後の納付金 教材費:1万円/月

冷暖房費:1万円/年

施設準備費:5万円/年

広尾駅から坂を上った場所にあり、有栖川公園など豊かな自然環境の中でのびのびと活動することなどを重視しています。

特徴

昭和8年(1933年)、平成天皇(明仁新王)のご誕生を契機に創立された「恩賜財団 母子愛育会」が始まりです。
昭和22年(1947年)に幼児教育の研究実践の場として愛育幼稚園が設立されました。

教育方針は「なごやかな雰囲気の中で、子どもたちをのびのびと活動させ、社会性を円満にのばし情緒面の調和的発達を図る」と謳っています。

受験の募集要項

愛育保育園の募集は3年保育のみです。
年中・年長に関しては、定員に空きがある場合のみ若干名募集します。

募集人数 50名

3年保育のみ

願書受付 10月下旬2日間
入園考査 11月上旬2日間

母親面接が別日にあり

説明会・見学 9月の指定日

要事前予約

母親だけ別日に面接があるのが特徴です。

試験内容

試験内容は下記の通りです。

行動観察 約40分
親子面接 約10分

行動観察は、遊んでいる様子を観察するだけで幼稚園側から特別な要求はありません。
のびのび保育がモットーなので、その教育方針をしっかり理解し、共感している状態が大切です。

厳しく規律ある行動ができるよう躾けてほしいと望んでいる場合は、別の幼稚園をおすすめします。

この他に、別日に母親だけで面接があります。

御三家の特徴を知り、家庭と子どもに合った幼稚園を受験しよう

幼稚園御三家は、東京都港区にある小学校受験に強い幼稚園です。
高級住宅地が多い港区にあるので、高所得家庭や芸能人が多く、そういった家庭のお子さんを通わせているのが特徴です。

保育料は幼保無償化によって負担減となりますが、入学金や施設補助費など保育料以外の費用をしっかり把握しておきましょう。

それぞれの幼稚園の特色を見てみると、その教育指針は三者三様でした。
小学校受験に強い幼稚園と評判ですが、とくに受験対策のカリキュラムがあるわけではありません。

ただし、情緒と規律ある生活を送る中で、入試本番でもしっかりした行動と対応ができる子に育つのでしょう。

そういった各幼稚園の特色を知り、お子さんの性格やご家庭の教育方針に合う幼稚園を選択しましょう。

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